CSD

やっとなんとなく涼しくなってきた。待ち望んでいた秋であるはずなのに、季節が変わった瞬間気分がずるずると落ちてきている。生理前って訳でもないのにここ1年くらいこういう極端な気分の変化があって、それに自分自身がついて行けない。中二病のようだけど、仕事も暮らしもすべてどうにでもなってしまえみたいな投げやりな気持ちになることがある。
今年に入って転職のような物理的な環境の変化もあったのだけど、なんとなく、気持ちの方面でも変わってきた部分がある。特にここ数週間、書くことが少々躊躇われるけども「癒し」をもとめるようになってきていて、わかりやすいところではアロマを始めたり、近所の神社に行ってお参りしたり(しかもわざと雨降りのときに行ったりする)、ものの本を読んでおもむろに部屋の掃除を始めたりしている。これだけならまあ言ったら普通に誰でもファッション的にやったりすることだとは思うのだけど、恐ろしいなと思うのは、こういった行為をしたとき、本当に癒される感じが自分の中にあること。宗教にハマるとこうなるのかな、みたいな。たぶん単にアラサーOLレベルが上がっただけなのかもしれないけれど。
別で割と自分の中で大きな変化としては身につけるものに昔ほど執着がなくなったこともある。ちょっと前まではドコドコの何が絶対欲しい、とか思っていたけど、ようやく身の程を知ったというかそんないいもの着ても大して似合わないし、私の好きなテイストで固めたらモテない系の女になるしでトータルとしていいことないよなーと思ってこだわらなくなった。服にお金をかけず執着を持たなくなったら不思議と気持ちが落ち着いて、いつのまにか服は少なからず私にとって負担になっていたことがわかった時は驚いた。服は綺麗でない自分を少しでも良く見せようとするための手段であったんだけど、いくらいい服を着ても綺麗になれない時が幾度もあって、それがストレスとして蓄積してたんだと思う。当然ながら素の自分に自信がなければ何を着たって綺麗と思えるはずがない。着飾って綺麗にしておくのは無駄ではないけど、なんだか今はその場のシーンに合わせてそつがない服を身につけるだけで充分かな、それ以上をしても自分にとって逆にストレスになる、などと思うようになった。
こうやってストレスから開放されるための方法に一生懸命になっているわけだけど、これはひっくり返すとここ最近(いきなりといっていいほど最近だ)多大なストレスを感じていることに他ならない。ほぼ毎週末友人たちとお酒を飲んでそれで多少は解消しているものの、私にはそれ以外でストレスを発散する方法がない。そもそもの性格的なものだとは思うけれど、とにかくなんでも我慢してしまう性格で、それがいけないんだろう。他人とコミュニケートすることは好きなほうではあるが、そういう場で常に我慢をしてしまっている。誰もが多少はそうだとは思うけれど、しかしそれにしたって多分私は(人からしばしば指摘されるほど)常にかなり気を遣い場の空気を読んで発言するので、面白い場を作ることはできるし実際自分も楽しんでいるんだけど、自分自身を開放できては全くない。いや、まあそういう自分が自分自身のひとつでもあるのは確かなのだけど…みんな好きだし場を楽しくしたいのに楽しくすることにストレスを覚える自分が嫌い=それこそがストレス、みたいなことなのかもしれない。
今のこの歳で少女時代を振り返るのも馬鹿らしい気がするが、確かに私は物心ついたときから相手の顔色を見て話をする子どもだった。一人っ子で周囲に大人しかいなかったせいもある。喜怒哀楽の激しい母に愛情と同時に嫌悪感を抱き幼い頃から反面教師として認識していたことも多分大いに影響している(怒りの感情をヒステリックに表現する彼女を迷惑な女・醜い女だと感じていた)。だからなのか、それともそもそも生まれ持った性格がそうなのか、私は他人と自分の距離を常にはかり、お互いはあくまで他人同士であるということを認識しうる距離を保つ癖がある。場が望んでいるキャラクターにはすぐになれるし、情には篤いほうなので、人間関係が希薄というわけではない。大好きな人達はたくさんいる。ただ、"自分を重い・めんどくさい女だと思われたくない"という気持ちが恐ろしくあって、他人と距離を取るのも求められたキャラクターを演じるのもそれゆえの行動。実際は暗くて深い谷底みたいな心を持ってる自分を知られて嫌われて離れていってほしくない。
なんだか書いててどんどん暗いところに落ちてきたけれど、いま私は先に書いてきたようなこれまでの自分でいることに違和感を感じているというか、ある意味虚勢を張って生きている自分に綻びが出てきたような気がして、戸惑っている。これまでと同じように振舞っているにもかかわらず、それがなぜだかどんどん雪だるまみたいにストレスになっていき、1週間とか短い時間で自分のリミットから溢れてしまうような感覚。おそらく…認識したくなくて目を逸らしていること、このままでは一生誰とも深く繋がれないという恐怖がすごい早さで肥大化している。多分今、そのへんの誰よりも私は誰かに私を理解して欲しいと思っていて、でも誰にも言うことができないだろう自分の性質がすごく苦しい。